2023/07/18

第35回東京モーターショー<二輪車編>(2001年)

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※この記事は2001年10月24日〜25日にわたり作成・公開された記事です。復刻にあたり複数記事の統合および表示画像のスタイル変更を行っています。

■ホンダネットでは初の試み(笑)となるニ輪車のレポートをお送りします。今年のHondaニ輪のテーマは「Have Wing?」 人それぞれのよろこびや可能性をひろげる自由の翼 だそうです。さて、どんな翼が待っているのか・・・


■まずはコンセプトバイクから。
メインステージ左手の一段と高いところににあるのがXAXIS(ザクシス)。既存のモーターサイクルに使われている部品が夕イヤ以外無いんじゃないかと思うほど各所にものすごいデザインをまとっています。
中でも一番目を引くのが片持ち・モノチューブのフロントサス、そしてリムにマウントされた巨大なブレーキディスク。キャリパーがディスクの内側からマウントされる特徴的なシステムです。
往年のインボードディスクを彷彿とさせないでもありませんが(笑)

■続いてステージ右側にある大型スクーターがELYSIUM(エリシオン)。近年大人気となった大型スクーターのコンセプトモデルです。現行のスクーターにも屋根のついたものはありますが、このELYSIUMではさらに電動コンパチブルルーフを採用、四輪でいうとさしづめCR-Xデルソル彷彿をさせます。工ンジンは水平対向4気筒750cc、油圧制御CVTとシャフトドライブにて駆動されます。メーターパネルやバックモニターを採用したコックピット周りは未来的なデザインですが、電動ルーフや750ccエンジンは市販車へのフィードバックが期待されます。

■続いてはメインステージ後方をふり返るとコミューターコンセプトステージがあります。7車種中5車種が電動モーター駆動車というラインナップ。
なお、これら電動コミューターの動力は全て「ホイールインダイレクトモーター」というもので、ホイールそのものがモーターになっており動力システムとしてはあとはバッテリーとコントローラーさえあれば動くというようなものだと思われます。各車両のコンパクトさがそれを物語っています。

■まずはCAIXA(カイシャ)。すごい名前ですが日本語ではないと信じたいです(笑)
折りたたむとUNIBOXのドア部分に収納できる(全幅170mm、全長800mm)というサイズ。車載バイクという昔あったモトコンポと同様のコンセプトながらこの収納サイズは驚きです。

■同じく車載バイクのe-DAX(e-ダックス)。こちらはBULLDOGに車載されますが、車載時は後部座席の背もたれ&へッドレストになるというコンセプト。すごいです。雨の日はどうするんでしょうというヤボな事は言いません(笑)
■こちらも電動コミュー夕ーのRidingCart(ライディングカート)。
ショッピングカートがバイクになるというコンセプトです。残念ながら折りたたんだ状態は見られませんでしたが、電動アシスト付のショッピングカートという概念には脱帽です。
そしてこのライディングカートのタイヤをよーっく見ると、なんとZOOKで話題になったあの靴跡タイヤじゃないですか!これは驚きでした。

■こちらは「止めて楽しむ」というコンセプトのMOBIMOBA(モビモバ)。
シートがスツールの様に上下・回転させられ、メー夕ーパネルはテーブルトレイとして使える、「いつでもどこでも気に入って止めた場所がカフェテラス」になるそうです。これも四輪のUNIBOXに搭載することができます。
ところでフォルムが以前あったZOOKに似てるな、と思ったのは私だけではないはず。

■電動バイクではありません。NC-Iはペダル付のコミュー夕。ヨーロッパではこの手のエンジン付自転車は根強い人気があります。NC-IIはNC-Iからぺダルを外してスクーターとして仕立てたもののようです。

■e-NSRこれは極めつけ。電動レーサーなのですが、車体をユニットごと分解でき、とてもコンパクトに収納することができます。驚いたのは正面から見た時のスリムさ。ハッキリ言って、タイヤの幅とあんまり変わりません。右から見ると解りませんが、左から見るとブレーキディスクが見えます。これが何とまるでXAXISを連想させるかのようなリムマウントディスク。最近のHondaのスポーツバイクに連なるウイングマークのグラフィックもあいまってさりげなくタダモノじゃない雰囲気が。見てるだけでワクワクしました。


■さて、次は参考出品車に目を移してみましょう。順番や視点にはやや個人の偏りがあるかもしれませんが・・・(笑)


■メインステージのELYSIUMの隣に展示されていたブラジル製のXR250です。 パッと見るとシュラウド付のフューエルタンクが違うくらいですが、よーく見るとフレーム(角パイプ→丸パイプ)、フロントサス(倒立→正立)、リヤブレーキ(ディスク→ドラム)、ライトカウルなど、国内仕様のXR250とは名前は同じでも全然別物です。 これは日本から輸出しているのではなく、ブラジルで現地生産されたものを特別に輸入したものなのだそうです。


■続いてXR250のスーパーモタード仕様。こちらはタンクやサイド、リヤカバーをブラジルXRに変更していますが、中身は日本の国内仕様のXR250です。ややこしいです。
前後ホイールを17インチに変更し、オンロードタイヤを装着しています。ACERBIS製の縦目2灯はやはり異様な顔つきになりますね(笑)
あと、BRAKING社製のブレーキディスクがエラい形をしてますが、かなり効くらしいです。パッドもよく減るようですが(笑) ちなみにこのブラジル用の外装パーツですが、日本国内では手に入れるのは難しいようですし、装着もちょっと苦労したとの事。
反響次第では国内XRにもシュラウドが採用されるか??期待したいところです。


■ELISIUMの反対側に目を移すとFusion50が目を引きます。大型スクーターのFusionをモチーフにしたモデルだけあって、50ccなのにデカいです。いや、元のFusionに比べれば格段にミニなんですが(笑)
ライトの造形がだいぶ鋭くなっているのとハンドル周りがカスタムチックに仕上げられています。


■そこから下に目を移すとZOOMERのカスタマイズ仕様があります。片方はフロントにカゴ、シート下・リヤキャリアにボックスを設けたビジネスイメージモデル「WORK ZOOMER」。(すいませんこれの写真撮るの忘れました)
もう片方はボディサイドに設けられたラックにボディボード等を乗せて運べるマリンスポーツイメージモデル「BEACH ZOOMER」です。
湘南のあたりではこんなラックをつけてサーフボードを乗せている自転車を沢山見かけますが、まさにそれですね(笑)


■ステージ中央には参考出品車ですが市販予定のBiteとそのカスタマイズモデルがあります。
ただでさえスカスカなZOOMERをさらにひんむいたような感じです。シートが自転車のようにシートポストで支えられており、シート高を730mm〜840mmまで調整することが出来ます。
今までシート高さの変えられるバイクというのはコンセプトモデルとしてはありましたが市販(予定)車としては初めてのことなのではないでしょうか?

■その右にあるのがApe100。これも市販予定車です。
50ccだったApeに100ccエンジンを搭載。二人乗りが可能なようにシートとピリオンステップを追加。これは楽しそうなバイクです。
なお、このApe100にはカラーオーダープランも採用されるようです。

■つい先日デビューしたばかりのCB400SSのカフェレーサーイメージのカスタマイズバージョン。
ロケットカウル、シングルシート、ショートタイプマフラーを装着。有る意味懐かしい匂いのするカスタマイズです。

■さらにメインステージ上には2002年モデルの市販予定車が並んでいます。

■Pan-European(パン・ヨーロピアン)は先代Pan-European(ST1100)から12年振りのフルモデルチェンジ。排気量を1300ccにアップし、PGM-FIを採用、最新の排ガス規制にも対応。フォルムも先代のイメージから比べるとダイナミックでシャープなラインで形作られています。将来高速道路の2人乗り解禁が実現したら、こんなバイクでタンデムでロングツーリングなんてしてみるのもよさそうです。
■VFRもフルモデルチェンジ。V4エンジンにハイパーVTECを採用。ヘッドライトは縦長の4灯式。最近のHonda四輪のデザインにも通じるものなのかもしれません。
■CB400 SUPER FOURはハイパーVTEC SPEC II に進化。VTECの切り替えタイミングの変更と盗難抑止システム「H.I.S.S」は400ccクラスでは初めての設定だそうです。
■CB900RRはモデルチェンジによりCBR954RRへ。これは海外ではすでに投入されていたモデルですがついに日本にも登場することになりました。車名は欧州では「Fire Blade」(ファイヤーブレード)ですが、北米仕様と同様のCBR954RRになるようですね。

■Honda初の4ストモトクロッサーCRF450もついにデビューします。エンジンはとても4ストで450ccもあるようには見えないくらいコンパクトです。排気量は450ccありますが、モトクロスのカテゴリーでは2ストの250ccクラスと同等になるようです。もっともモトクロスの場合、250ccより上のカテゴリがないんですが(笑)
■それとステージ上には先日発売になったCB900ホーネットやシルバーウイング400もあったのですがすっかり撮り忘れてしまいました。
■メインステージを降りると、メインステージの両脇、そして正面側に市販車の展示が行われていました。これらの車両は実際にまたがってみることも可能です。特にゴールドウイング・CB900ホーネット・VTXの三台は目の前にモニターが設置され、走行の雰囲気を体感することができます。



■メインステージを離れ、振り向くとモータースポーツステージがあります。
こちらのメインはなんといっても2002年シーズンのMotoGPに参戦するRC211Vです。
エンジン単体の展示はありませんでしたが、カウルの隙間から見えるV型5気筒エンジンはとてもコンパクトでした。カウルの造形がとても先鋭的なので一目でRC211Vと分かりますが、もし従来のようなオーソドックスな形のカウルを装着していたら、このボディの中に5気筒ものエンジンが入っているなんてちょっと分からないかもしれません。写真では赤の色がよく出ませんでしたが、蛍光レッドという感じの色です。これだけでもまた印象が異なります。
それにしてもV型エンジンで奇数シリンダーとは他にない独創的な構成ですが、80年代のV型3気筒エンジンのNS500を彷彿とさせます。当時のMVX250FやNS400Rのように、市販車へのフィードバックはあるのでしょうか?
■さらに同じターンテーブル上にはHondaの記念すべきグランプリ初優勝マシン、RC143が展示されていました。時代を感じさせるシンプルなデザインですが、今のシャープなデザインとは異なる、レトロなかっこよさが漂っています。
■ターンテーブル横には現在のWGP出場マシン、Hondaのグランプリ500勝を果たしたWGP500ccクラス出場車のNSR500とWGP250ccクラス出場車のNSR250が展示されていました。
■その隣のステージには、トライアルマシンのRTL、モトクロスマシンのRC250M、今年の鈴鹿8時間耐久レース優勝車のVTR1000SPW、鈴鹿4時間耐久レース優勝車のCBR600F4i、スーパーバイク世界選手権出場者のVTR1000SPWが展示されていました。


■モータースポーツステージ横にはHonda ライディングシミュレーターが2台置いてありました。
希望すると整理券を配布してもらって実際に乗ることができます。というわけで乗ってみたのですが、スタッフから「せっかくなんだからあまり慎重にならないで思い切ってやっちゃって下さい」との声に調子に乗って海沿いの道路を飛ばしまくっていたら事故や転倒はなかったものの、倒しすぎてステップをガリガリと擦る音を再現されてしまいました(笑)
なおこのライディングシミュレーターは今年のモデルで、昨年までのものに比べるとライダーの荷重を検知することができるようになり、リーンイン/アウトの挙動の違いをも再現しているそうです。改良は続いているんですね。
さらに驚いたのは、タンクとシートの部分が一体で取り外すことができ、シート部分を交換して前後2つあるステップを使い分けることでスポーツバイクとスクーターの両方を再現しているということでした。実際女性の方がスクーターにして体験している姿を見ましたが、本当に同じ機械なのかと思ったほどです。
ちなみに前ステップはGL1500のものだそうです。操作系はさりげなく贅沢に本物を使っています。これがこだわりというものなのでしょう(笑)


■Hondaブースを離れ、他のメーカーをブラついていたら見つけてしまったのが(株)成川商会のブース。
こちらはピアッジオやベスパ、ジレラといったイタリアのメーカーのバイクの輸入・販売をしている会社なのですが、イタリアのバイク用品も手がけているようです。
その中でTucano Urbano(トゥカーノ ウルバーノ)社の出しているTERMOSCUD(サーモスコード)という製品、ざっと言ってしまうとスクーター用の防水・防寒ひざ掛けといったところです。
感心したのがその作りの細かさ。さまざまな配慮が行き届いています。世界中のほぼ全てのスクーターに対応するラインナップ(すでにシルバーウイング用すらあります)、縫い糸やエンブレムには反射素材を使用、寒くなると硬くなる生地を使っており高速走行時もバタつかない。鍵穴の部分には蓋付の穴があり、いちいちスコードをめくらなくてもキーの抜き差しが可能、盗難防止用にワイヤーロックを通す穴がある、今年のモデルからはいろいろなシートパターンを選べる、・・・等々、特徴を挙げたらキリがないほどです。
イタリアのミラノでは冬になるとほとんどのバイクがこれを装着しているそうです。
日本ではこのモーターショーで初披露。今後雑誌広告への展開などあるそうです。
なにより防寒という観点からすると年配の方で大型スクーターに乗っておられる方や、冬でもスカートでスクーターに乗っている女性などにはうってつけな商品なのではないかと思いますし、柄の展開しだいではバイクのファッションとして若者向けにもいけるんじゃないかと思いました。
気になるお値段は標準小売価格\18,000、小型スクーターのものは\15,000にしたいとおっしゃっておられました。
カタログ(イタリア語で全然読めません)の写真を見ると、スクーターだけでなく、普通のバイクでも使えます。
他にもこの会社、ヘンな商品をラインナップしており、ヘルメットに吸盤で貼り付ける小物なんかかなりほほえましいです。ちなみにメーカーの人曰く「200km/hでも全然平気!」だそうです(笑)


■テーマ館では「その時-日本の技術が時代のトビラを開いた」というテーマで時代の先駆けとなった技術を取り入れた車両を展示していました。
Hondaのバイクでは
・RC149(超高回転による高出力)
・CB450(DOHC、並列4気筒)
・CB750(油圧ディスクブレーキ)
・CBR400F(可変バルブタイミングコントロールシステム)
・NR750(カーボンボディ、楕円ピストン)
が出展されていました。中でもRC149の超高回転による高出力はレーシングマシンとはいえ125cc4サイクル5気筒、22,000rpmまで回るエンジン、リッター換算すると273psにもなる高出力と、後のF1エンジンにも受け継がれた技術の先駆けでした。これを1966年(昭和41年)に実現していたのですから凄いです。

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