X(旧Twitter)で見かけたあるポストによると、埼玉県朝霞市にあるHondaの「二輪研究センター」のロビーにてデザインスケッチ展が11/13(月)まで開催中なんだそうですが、土日がそもそも稼働日ではないため見ることができないということなので平日に行ってきました。
文章は一部を除きスケッチと共に掲示してあったものを書き起こしたものベースとなっております。



いわゆるヨンフォアですが、カフェレーサーのスタイリングが取り入れられているというのが2枚目まで見て取れますね。
スケッチの制作にマーカーを使うのは当時としては先進的な描画法なのだそうです。
3枚目で市販車にだいぶ近い形になっています。

こんな裏話も一緒に掲示されていました。
あの頃だとカウル付きはまだですよねー。



DAXといえば胴長なプレスフレームの姿が犬のダックスフントに似ているから命名されていますが、これら3枚はその見慣れたDAXとは別案のアイデアスケッチです。

CBX最大の特徴であるDOHC空冷6気筒エンジンが良くわかるアングルで描かれています。
市販車には装着されなかったカウリングが描かれていてスポーティーなイメージを強調しています。
サイドカバー上のネーミングがCX1000になっていますから、この時点ではまだ名称がCBXに決まっていなかったようです。
ちなみにCBXだけ実車が置いてありました。
HRC RACER(1980年代)




2輪のデザイン室では、1982年のHRC発足以前からワークスレーサーのカラーリングを担当してきました。
80年代になるとレーサーレプリカブームを迎えますが、デザイン室で行ったワークスレーサーのカラーリングが市販車に適用されるなど、とても重要です。
最初にスケッチを描いて完成イメージを検討し、決定したカラーリングデザインをそれぞれのレース車両に施していきます。
レース用車両の凹凸がある立体に、どの方向から見ても連続性を感じさせるストライプを通すデザインワークは単純なように見えて実はとても難しく、デザイナーは何度も微調整を行いながらデザインを完成させマシンを華やかなサーキットに送り出してきました。

このスケッチは原画が展示されていました。
スーパーカブは今までも何度か大きなデザイン変更に挑戦した歴史があります。
アクリルガッシュという絵具で丁寧に描かれたこのスケッチは、車体の全長が90cm以上という通常描かない特大サイズなことから、現存するデザインスケッチの中でも異彩を放っています。
実車・現物しか信じなかった本田宗一郎社長が、当時別の大きなサイズのスケッチを見て「絵でも判るんだな」と直接言われたというOBの証言があります。
そのことから、当時は大きなスケッチを多く描いていたようです。


一枚目がデザインの意図や方向性を表現したキースケッチ、二枚目が最終的な外観を表現したレンダリングとよばれるスケッチになります。
2つのスケッチを見比べることで、デザイナーの意図がどのようにして量産品に落とし込まれていくのかを垣間見ることができます。

シートやステップ、グリップ位置など、ほぼ市販されたMOTOCOMPOデザインの基本アイデアた反映されたスケッチです。
ハンドルの折り畳み方法等には最終デザインとの違いが見られます。

MOTOCOMPOと同様に、SQUASH(スカッシュ)はCITYのトランクに積載することが想定されていました。
そのためハンドルが折りたためる仕様も用意されています。
SQUASHは前例がないサイズ感のスクーターのため、ライダーが乗車した姿が軽妙なタッチで描かれていますが、このようなスケッチは希少です。

このスケッチはデザイン室に保管されているものの中でもかなり異色で、通常は車体全体を描いたり、もっと部分的なディティールを描いたりしますが、それらとは違いが見られます。
スケッチの枠外の台紙にシャイニーオレンジと記入されていたことから、この色を推すデザイナーがその魅力を伝えようとして特別に描いたものかも知れません。

MOTORA ファイナルスケッチです。
絵を良く見ると、当初はシリンダーの横にあったフレームを消した痕跡が残っています。
「モトラ」のネーミングは、LPLを含めたデザイン室内のワイガヤの中でMOTOとトラックの造語として誕生しました。

デザイナーは製品のスタイリングだけでなく、ボタンの配置やアイコン、ロゴも一貫して検討します。
製品の世界観を表現しつつ、機能性も高める工夫が随所に盛り込まれています。

モニターに写したデザイン画の前には実際の製品が展示されていました。

このスケッチはデザイン・インターンシップの課題として約30年前に描かれたものです。
「パステル」という画材を削って粉にしたパウダーとマーカーを使用して、全て手で描かれた作品です。
デザイン作業がデジタル化された今の目で見てもその美しいグラデーションと精緻さは輝きを放っています。

こちらもパステルを削って粉にしたカラーパウダーとマーカーで描かれています。
CB750 FOUR(1969年)

1969年の初代CB750FOUR搭乗から数年が経過してマイナーチェンジが計画された頃のスケッチです。
フューエルタンクのグラフィックなどに提案が見られますが、この案は量産には移行しませんでした。

HondaはCB400FOURで人気があった集合マフラーをCB550とCB750にも採用した「FOUR-II」を発売。
発売から時が経過していたCB750FOURのバリエーションとしての訴求を行いました。
このスケッチはCB750FOUR-IIの初期アイデアスケッチで、背後に集合マフラーが描かれています。

通常のスケッチは車両のみを描きますが、このスケッチは少し異例でCB500FOURの大きな特徴である独特な形状のマフラーも一緒に描いてあります。
そこにCB750FOURに対して差別化を図ろうとするデザイナーの想いが感じられます。



XR-BAJAの車名は、バハ・1000マイルレースが開催されている米国・バハ・カリフォルニア半島より名付けられました。
スケッチは通常のデザイン開発時のものではなく、新車発表時の訴求用に特別に描かれたものです。
そのため絵としての華があり、ディティールも細部まで丁寧に描きこまれています。


机にはデザイナーが絵を描く際の画材などが置かれ、制作途中のスケッチなどが置かれていました。
その背後に設置されたモニターには、更にたくさんのスケッチがスライドショーで映し出されていましたので全部撮ってきました。
電気スタンドが画面に被るので斜めから撮ったせいで歪んでますけど(><)


















パワープロダクトのスケッチではスタイリングはもちろんですが、道具としての使われ方に強くフォーカスしているため手で掴んだり指で押したりと行った具体的な使用シーンを用いた表現が多く見られます。
スケッチで伝えたいことによる表現方法の使い分けもデザイナーの腕の見せ所です。
こちらも実際の製品が展示されていました。
また、背後に設置されたモニターには汎用製品のスケッチがスライドショーで流れていました。










液晶タブレットが置かれており、そこではスケッチが出来上がるまでの段階的な絵がスライドショーになっていました。
また、こちらにも背後にモニターがありこちらは割りと最近のモデルのスケッチがスライドショーになっていました。









こういったデザインスケッチ、まとめて本にして手元に置いておきたいです。
文章は一部を除きスケッチと共に掲示してあったものを書き起こしたものベースとなっております。
CB400FOUR(1974年)
いわゆるヨンフォアですが、カフェレーサーのスタイリングが取り入れられているというのが2枚目まで見て取れますね。
スケッチの制作にマーカーを使うのは当時としては先進的な描画法なのだそうです。
3枚目で市販車にだいぶ近い形になっています。
こんな裏話も一緒に掲示されていました。
あの頃だとカウル付きはまだですよねー。
もうひとつのDAX
DAXといえば胴長なプレスフレームの姿が犬のダックスフントに似ているから命名されていますが、これら3枚はその見慣れたDAXとは別案のアイデアスケッチです。
CBX1000(1978年)
CBX最大の特徴であるDOHC空冷6気筒エンジンが良くわかるアングルで描かれています。
市販車には装着されなかったカウリングが描かれていてスポーティーなイメージを強調しています。
サイドカバー上のネーミングがCX1000になっていますから、この時点ではまだ名称がCBXに決まっていなかったようです。
ちなみにCBXだけ実車が置いてありました。
HRC RACER(1980年代)
2輪のデザイン室では、1982年のHRC発足以前からワークスレーサーのカラーリングを担当してきました。
80年代になるとレーサーレプリカブームを迎えますが、デザイン室で行ったワークスレーサーのカラーリングが市販車に適用されるなど、とても重要です。
最初にスケッチを描いて完成イメージを検討し、決定したカラーリングデザインをそれぞれのレース車両に施していきます。
レース用車両の凹凸がある立体に、どの方向から見ても連続性を感じさせるストライプを通すデザインワークは単純なように見えて実はとても難しく、デザイナーは何度も微調整を行いながらデザインを完成させマシンを華やかなサーキットに送り出してきました。
SUPER CUB(1960年代後半)
このスケッチは原画が展示されていました。
スーパーカブは今までも何度か大きなデザイン変更に挑戦した歴史があります。
アクリルガッシュという絵具で丁寧に描かれたこのスケッチは、車体の全長が90cm以上という通常描かない特大サイズなことから、現存するデザインスケッチの中でも異彩を放っています。
実車・現物しか信じなかった本田宗一郎社長が、当時別の大きなサイズのスケッチを見て「絵でも判るんだな」と直接言われたというOBの証言があります。
そのことから、当時は大きなスケッチを多く描いていたようです。
CBR1000RR(2008年)
一枚目がデザインの意図や方向性を表現したキースケッチ、二枚目が最終的な外観を表現したレンダリングとよばれるスケッチになります。
2つのスケッチを見比べることで、デザイナーの意図がどのようにして量産品に落とし込まれていくのかを垣間見ることができます。
MOTOCOMPO(1981年)
シートやステップ、グリップ位置など、ほぼ市販されたMOTOCOMPOデザインの基本アイデアた反映されたスケッチです。
ハンドルの折り畳み方法等には最終デザインとの違いが見られます。
SQUASH(1981年)
MOTOCOMPOと同様に、SQUASH(スカッシュ)はCITYのトランクに積載することが想定されていました。
そのためハンドルが折りたためる仕様も用意されています。
SQUASHは前例がないサイズ感のスクーターのため、ライダーが乗車した姿が軽妙なタッチで描かれていますが、このようなスケッチは希少です。
GORILLA(1978年)
このスケッチはデザイン室に保管されているものの中でもかなり異色で、通常は車体全体を描いたり、もっと部分的なディティールを描いたりしますが、それらとは違いが見られます。
スケッチの枠外の台紙にシャイニーオレンジと記入されていたことから、この色を推すデザイナーがその魅力を伝えようとして特別に描いたものかも知れません。
MOTORA(1982年)
MOTORA ファイナルスケッチです。
絵を良く見ると、当初はシリンダーの横にあったフレームを消した痕跡が残っています。
「モトラ」のネーミングは、LPLを含めたデザイン室内のワイガヤの中でMOTOとトラックの造語として誕生しました。
LiB-AID E500
デザイナーは製品のスタイリングだけでなく、ボタンの配置やアイコン、ロゴも一貫して検討します。
製品の世界観を表現しつつ、機能性も高める工夫が随所に盛り込まれています。
モニターに写したデザイン画の前には実際の製品が展示されていました。
フューチャー MC
このスケッチはデザイン・インターンシップの課題として約30年前に描かれたものです。
「パステル」という画材を削って粉にしたパウダーとマーカーを使用して、全て手で描かれた作品です。
デザイン作業がデジタル化された今の目で見てもその美しいグラデーションと精緻さは輝きを放っています。
CABINA(1994年)
こちらもパステルを削って粉にしたカラーパウダーとマーカーで描かれています。
CB750 FOUR(1969年)
1969年の初代CB750FOUR搭乗から数年が経過してマイナーチェンジが計画された頃のスケッチです。
フューエルタンクのグラフィックなどに提案が見られますが、この案は量産には移行しませんでした。
CB750 FOUR-II(1975年)
HondaはCB400FOURで人気があった集合マフラーをCB550とCB750にも採用した「FOUR-II」を発売。
発売から時が経過していたCB750FOURのバリエーションとしての訴求を行いました。
このスケッチはCB750FOUR-IIの初期アイデアスケッチで、背後に集合マフラーが描かれています。
CB500 FOUR(1971年)
通常のスケッチは車両のみを描きますが、このスケッチは少し異例でCB500FOURの大きな特徴である独特な形状のマフラーも一緒に描いてあります。
そこにCB750FOURに対して差別化を図ろうとするデザイナーの想いが感じられます。
XR-BAJA(1995年)
XR-BAJAの車名は、バハ・1000マイルレースが開催されている米国・バハ・カリフォルニア半島より名付けられました。
スケッチは通常のデザイン開発時のものではなく、新車発表時の訴求用に特別に描かれたものです。
そのため絵としての華があり、ディティールも細部まで丁寧に描きこまれています。
その他にも色々色々・・・・
机にはデザイナーが絵を描く際の画材などが置かれ、制作途中のスケッチなどが置かれていました。
その背後に設置されたモニターには、更にたくさんのスケッチがスライドショーで映し出されていましたので全部撮ってきました。
電気スタンドが画面に被るので斜めから撮ったせいで歪んでますけど(><)
Miimo
パワープロダクトのスケッチではスタイリングはもちろんですが、道具としての使われ方に強くフォーカスしているため手で掴んだり指で押したりと行った具体的な使用シーンを用いた表現が多く見られます。
スケッチで伝えたいことによる表現方法の使い分けもデザイナーの腕の見せ所です。
こちらも実際の製品が展示されていました。
また、背後に設置されたモニターには汎用製品のスケッチがスライドショーで流れていました。
スケッチができあがるまで
液晶タブレットが置かれており、そこではスケッチが出来上がるまでの段階的な絵がスライドショーになっていました。
また、こちらにも背後にモニターがありこちらは割りと最近のモデルのスケッチがスライドショーになっていました。
こういったデザインスケッチ、まとめて本にして手元に置いておきたいです。