最大の違いは、走りのコンセプトですね。
FF車最速といわれる日本のシビック TYPE Rに対し、シビック TYPE R EUROはスピード感と乗り心地を追求。荒れた路面やコーナーの連続、石畳や制限速度80km以上の一般道など、欧州特有のさまざまな道路環境で、ボディと足回りを徹底的に鍛え上げてきました。
サーキットで最速を目指すのではなく、より快適に速く移動できることにこだわりました。その理由の一つが、TYPE Rシリーズでは初めてのこととなる、VSA(注1)の標準装備化ですね。
また、エクステリア・インテリアも洗練されています。「走り」を楽しむTYPE Rの本質は、日本も欧州も変わりはありませんが、“今までにないTYPE R”といえると思います。
(注1)VSA…(Vehicle Stability Assist)の略。車がオーバースピードでコーナーに侵入したり、急激なハンドル操作などで車両姿勢が乱れた際など、運転状況に応じて自動で運転を制御する機能です。横滑りなどを防ぎ、安定した走行を保ちます。
走りを楽しむことに対するこだわりが満載です。
ドアを開けて、まず目に飛び込んでくるのは、いかにもスポーツ仕様の専用フルバスケットシート。ドライバーを包み込むように設計されており、安定した運転姿勢を維持できます。
表皮材には、イタリアの高級合成皮革・アルカンターラを採用。スポーツカーの爽快感と操作しやすさを両立した、本革巻ステアリングホイールやショートストロークの球形ノブが、心地よく手になじみます。
メーター類も、ドライビングの要となる情報がすぐ確認できるよう、機能的に配置されています。
これらコクピットパーツの配置、操作感、感触、作動の仕方などは、徹底した走行テストにより、すべて“走りながら”開発されているため、デザイン性と操作性を高いレベルでマッチさせることができました。
欧州仕様といえども、コンセプトはあくまでも「日本らしさ」。優れたデザインの多い欧州車の中でもひけをとらない存在感を目指しました。
直線に曲線を織り交ぜた未来的なシルエットは日本のテクノロジーを、またフェンダーの張り出しやドアノブを貫くプレスラインなどは、着物のねじれをイメージしているんです。
赤いHondaエンブレムとともに、「CIVIC TYPE R EURO」専用エンブレムを装備し、走りのスピリットを表現。
高速の直線走行や旋廻時でも安定したドライビングができるよう、高い空力性能とシャープなデザインを兼ね備えた専用エアロパーツを採用しています。
シビック TYPE R EUROの本当の楽しさは、「思い通りに車を動かせること」の爽快感だと思いますね。坂道やカーブの連なるワインディングロードでも、思うままに
ドライビングを楽しめる。TYPE Rのスポーツテイストと乗り心地が、車に乗ることの楽しさを最大限に引き出してくれます。
また、後部座席と荷物スペースの広さ、シートアレンジやフロアの低さ、開口部の大きさなどは、ファミリーユースでも無理のない仕上がりです。
スポーツカーの実力とセダンの実用性を併せ持つ車として、ロングドライブから街乗りまで、幅広いシーンで楽しんでいただきたいですね。
◆バックナンバー
2009年4月のおススメ車 『Life』
2009年5月のおススメ車 『INSIGHT』
2009年6月のおススメ車 『FIT』
2009年7月のおススメ車 『STREAM』
2009年8月のおススメ車 『FREED』
2009年9月のおススメ車 『ODYSSEY』
2009年10月のおススメ車 『STEP WGN』
2009年11月のおススメ車 『STEP WGN SPADA』